その正体と生態
健康・建物・環境への影響
室内のカビ問題を考えるうえで、換気の役割は非常に重要です。
換気は空気を入れ替えるだけでなく、湿気や汚染物質を屋外へ排出する機能を担っています。本節では、換気不足がどのようにしてカビ発生を招くのか、そのメカニズムを整理します。
このページでわかること
・換気が果たしている本来の役割
・換気不足がカビ発生に繋がる理由
・高気密住宅と換気の関係
・換気が不十分になりやすい場所や状況
1. 換気の基本的な役割
換気はカビ対策において大切!
換気には、主に次のような役割があります。

| 役割 | 内容 |
| 湿気の排出 | 水蒸気を屋外へ排出 |
| 空気の入れ替え | 新鮮空気の供給 |
| 汚染物質の除去 | カビ胞子・MVOCの低減 |
このうち、湿気の排出はカビ対策において最も重要な役割の一つです。
生活で発生する水蒸気で、室内が高温多湿になるよ!
換気が不十分な状態では、室内で発生した水蒸気が排出されず、空気中や建材表面に滞留します。その結果、次のような現象が起こります。

| 状態 | カビリスク |
| 十分な換気 | 低い |
| 換気不足 | 高い |
| 無換気状態 | 非常に高い |
特に、日常生活で発生する水蒸気は量が多く、換気が機能していないと短時間で高湿度環境が形成されます。
高気密高断熱の家は換気が大切だよ!
近年の住宅は、省エネルギー性能向上のために高気密・高断熱化が進んでいます。これは快適性の向上につながる一方で、換気が適切に行われない場合、湿気が逃げにくいという側面があります。れています。

| 住宅特性 | 影響 |
| 高気密 | 空気が入れ替わりにくい |
| 高断熱 | 温度差が生じやすい |
| 換気不足 | 内部結露・カビ |
このため、換気設備の計画・運用が不適切だと、カビ発生リスクが高まります。
家の中の様々なところで換気不足になっているよ!
換気不足は、住宅全体だけでなく、局所的な場所でも起こります。

| 場所・状況 | 特徴 |
| 押入れ・クローゼット | 空気が滞留しやすい |
| 家具の裏側 | 空気の流れが遮断される |
| 水回り | 水蒸気が集中 |
| 換気口の閉塞 | 機能低下 |
換気設備があっても、フィルターの目詰まりや常時換気の停止によって、十分な換気量が確保されていないケースもあります。
換気は「空気を動かす」だけでなく、湿気をためない環境を作ることが目的です。
これらの考え方が、カビ発生リスクの低減につながります。
本節では、換気不足がカビ発生につながる仕組みについて解説しました。
換気は、室内で発生する湿気や汚染物質を排出する重要な機能を担っています。特に高気密住宅では、換気が適切に機能していないと、湿気が滞留し、結露やカビ発生を招きやすくなります。
カビ対策としては、単に換気設備を設けるだけでなく、正しく使われているか、空気が流れているかを意識することが重要です。
理解度チェック
次節では、建物の構造・仕様とカビ発生リスクについて解説します。