その正体と生態
健康・建物・環境への影響
カビはどこにでも存在する微生物ですが、実際に「発生」し「増殖」するかどうかは、周囲の環境条件に大きく左右されます。本節では、カビが生育するために必要な基本条件を整理し、室内環境との関係を分かりやすく解説します。
このページでわかること
・カビが生育するために必要な主な条件
・温度や湿度がカビに与える影響
・水分活性という考え方
・室内環境でカビが発生しやすくなる理由
カビは条件が揃うと急速に成長するよ!
カビの生育には、主に以下の4つの条件が関係しています。

| 条件 | 内容 |
| 温度 | 成長に適した気温 |
| 湿度・水分 | 発芽・成長に必要な水分 |
| 栄養源 | 有機物の存在 |
| 酸素 | 呼吸に必要な空気 |
これらの条件が同時に整うことで、カビは発芽し、急速に増殖します。
カビも人間も快適な温度は一緒だよ!
多くの室内環境カビは、20〜30℃前後で最も活発に生育します。この温度帯は、人が快適と感じる室温とほぼ一致しています。

| 温度帯 | カビの反応 |
| 0〜10℃ | 成長は遅いが生存可能 |
| 20〜30℃ | 生育が最も活発 |
| 40℃以上 | 多くの種で生育困難 |
そのため、冷暖房の有無にかかわらず、室内は年間を通してカビにとって好条件になりやすい環境といえます。
カビにとって一番重要なものは水分だよ!
カビの発生に最も大きく影響するのが水分です。一般的には、相対湿度60%以上でカビが生育しやすくなるとされています。
さらに重要なのが、水分活性という考え方です。水分活性とは、カビが利用できる水分の割合を示す指標です。
| 状態 | カビへの影響 |
| 表面が乾燥 | 発芽しにくい |
| 結露・湿潤 | 発芽・成長しやすい |
| 内部に水分 | 見えない増殖 |

結露や壁内部の湿気は、見た目以上にカビの発生リスクを高めます。
カビの成長に太陽の光は必要ない!
カビは光合成を行わず、有機物を分解して栄養を得ます。室内には、カビの栄養源となる物質が多く存在しています。

| 建材 | 木材、紙、壁紙 |
| 生活由来 | ホコリ、皮脂、食品残渣 |
| 付着物 | 石けんカス、油汚れ |
一見きれいに見える場所でも、微量のホコリや皮脂があれば、カビは十分に生育可能です。
多くのカビは好気性であり、酸素の存在下で生育します。そのため、完全に密閉された空間よりも、空気の出入りがある室内の方が発生しやすい場合もあります。
カビの空気の流れがあるところで発生しやすいよ!

| 環境 | カビの生育 |
| 通常の室内 | 生育しやすい |
| 低酸素環境 | 生育が抑制される |
| 密閉空間 | 種によって差がある |
換気不足は湿度上昇を招く一方で、空気の流れが不十分な場所は局所的にカビの温床となります。
ます。
高気密・高断熱の過ごしやすい家はカビが生えやすい!

現代の住宅は、高気密・高断熱化が進んでいます。その結果、
といった状況が生まれ、カビにとって生育しやすい環境が形成されやすくなっています。
本節では、カビが生育するために必要な条件として、温度、湿度(水分活性)、栄養源、酸素の4つの要素を解説しました。
カビは、特別な環境でなくても、人の生活空間そのものを利用して生育します。そのため、カビ対策では「発生してから除去する」だけでなく、湿度管理や換気など、環境条件を整えることが重要です。
理解度チェック
次節では、カビが生育する過程で生み出される
代謝産物(マイコトキシンやカビ臭)と、その影響について解説します。