その正体と生態
健康・建物・環境への影響
カビ発生の三大要因の中でも、水分は最も直接的かつ支配的な要素です。
室内でカビが発生する背景には、さまざまな形で供給される水分があります。本節では、住宅や建築物において水分がどこから、どのように供給されているのかを、具体的なメカニズムごとに解説します。
このページでわかること
・室内に水分が供給される主な経路
・結露が発生する仕組みと発生しやすい部位
・漏水や施工時水分がカビにつながる理由
・日常生活が水分供給源になる仕組み
1. 結露による水分供給
壁の内部で結露が発生し、カビが生えると気づかないうちに広がっているよ!
結露は、空気中の水蒸気が冷やされた表面で水滴として析出する現象です。温度差が生じることで発生し、室内カビの主要な水分供給源となります。目に見えない壁体内で発生する内部結露は、発見が遅れることで構造材を腐食させ、建物の寿命を縮める原因となります。
| 表面結露 | 壁・窓表面に発生 |
| 内部結露 | 壁体内部で発生 |
表面結露

表面結露は、窓ガラスや外壁、金属部材など、表面温度が下がりやすい部位で発生します。目視で確認できるため、比較的気づきやすい結露です。カビ臭は、目に見えるカビが確認できなくても発生することがあり、生活環境の異常を知らせるサインとなります。
内部結露

内部結露は、壁の内部や断熱材内部で発生します。外から見えないため発見が遅れやすく、建材内部でカビが進行する原因となります。
漏水はカビ発生リスクが非常に高い!

| 漏水の種類 | 主な原因 |
| 雨漏り | 屋根・外壁の劣化 |
| 給排水管漏水 | 配管の破損・劣化 |
| 設備機器漏水 | エアコン、給湯器 |
漏水は一時的に止まっても、建材内部に残った水分が長期間影響を及ぼします。
建築中の水分が原因でカビが発生することもあるよ!
建築時には、意図せず多量の水分が建物内に持ち込まれることがあります。

| 水分源 | 内容 |
| コンクリート打設 | 硬化までに長期間水分を保持 |
| 建材の初期含水 | 木材・石膏ボードなど |
これらの水分が十分に乾燥しないまま使用されると、竣工後早期のカビ発生につながることがあります。
換気が足りないと結露が出たり、湿度が高くなるよ!
日常生活そのものが、継続的な水分供給源となります。

| 活動 | 水蒸気発生例 |
| 調理 | 沸騰・蒸気 |
| 入浴・シャワー | 大量の水蒸気 |
| 洗濯物の室内干し | 長時間の湿気 |
| 加湿器 | 過剰加湿のリスク |
換気が不十分な場合、水蒸気は室内に滞留し、結露や高湿度状態を引き起こします。
床下や地下室は地盤の水分が関係してカビ発生のリスクが高いよ!
床下や地下室では、地盤からの水分蒸発が影響する場合があります。

| 要因 | 影響 |
| 地盤湿気 | 床下湿度上昇 |
| 防湿不良 | 建物内部への水分侵入 |
この水分は、床下や壁内部でのカビ発生につながりやすく、気づきにくい特徴があります。
本節では、室内に水分が供給される主な経路として、結露、漏水、施工時水分、生活活動、地盤由来の湿気について解説しました。カビは、これらの水分供給源が単独で存在する場合だけでなく、複数が重なったときに発生リスクが急激に高まります。そのため、水分の「量」だけでなく、「どこから、どのように供給されているか」を把握することが重要です。
理解度チェック
次節では、水分が滞留しやすくなる要因である「換気不足とカビ発生の関係」について詳しく解説します。