カビ除去の調査・ご相談

Professional
Mold Control Guide
プロが教える
「カビ対策」完全マニュアル

第4章 カビ汚染の調査・診断法

4.5 微生物学的調査(サンプリングと分析)


五感調査や測定機器による調査では、カビ発生の「可能性」や「環境条件」を把握できますが、実際にどの程度カビに汚染されているのかを明らかにするためには、微生物学的な調査が必要になります。本節では、カビ調査で用いられる代表的なサンプリング方法と分析手法について解説します。

このページでわかること
・微生物学的調査の目的と役割
・主なサンプリング方法の特徴
・分析方法ごとの違いと注意点
・微生物調査結果の読み取り方の考え方

1.微生物学的調査の位置づけ

微生物学的調査と分析でカビを見える化するよ!

微生物学的調査は、カビ汚染を定量的・定性的に評価するための調査です。

観点内容
定量評価菌数・汚染レベル
定性評価カビの種類・特徴
裏付け他調査結果の確認

この調査により、「見えないカビ」や「空気中の汚染状況」を客観的に示すことが可能になります。

2. サンプリング方法の種類

いろんなサンプリング方法があるよ!

カビ調査では、調査対象や目的に応じてサンプリング方法を選択します。

主なサンプリング方法

方法対象特徴
拭き取り法表面汚染範囲の把握
テープ法表面形態観察に有効
落下菌法空気簡易的評価
空中浮遊菌捕集法空気定量評価が可能

空中浮遊菌捕集法の例

方法特徴
インパクター法培地に衝突捕集
液体捕集法液体中に回収

空気中のカビ胞子を評価する際には、これらの方法が用いられます。

3.分析方法の種類

分析のやり方も多くの方法があるよ!

採取したサンプルは、目的に応じてさまざまな方法で分析されます。

主な分析方法

分析方法内容特徴
直接鏡検法顕微鏡観察迅速・定性評価
培養法菌の増殖種類同定・菌数測定
ATP測定法生物由来ATP測定即時性
遺伝子解析法PCR等高精度・高感度

培養法は一般的ですが、すべてのカビが培養できるわけではない点に注意が必要です。

4.  分析結果の解釈における注意点

微生物学的調査だけでは判断できないよ!

微生物学的調査の結果は、数値が示されるため分かりやすい反面、単独で評価しないことが重要です。

注意点内容
環境差季節・天候の影響
測定条件採取時間・場所
基準値絶対基準が少ない

多くの場合、屋外との比較過去データとの比較によって評価されます。

5. 微生物調査が有効な場面

カビの診断や報告書にはとても有効!

微生物学的調査は、次のようなケースで特に有効です。

  • 目に見えるカビがないが臭気や体調不良がある
  • 汚染レベルを数値で示す必要がある
  • 除去・対策後の効果確認を行う場合

この調査は、診断の裏付けや説明資料としても重要な役割を果たします。

6. まとめ

本節では、カビ汚染調査における微生物学的調査の方法と考え方について解説しました。拭き取りや空気中サンプリングによって得られた試料を分析することで、カビ汚染の程度や種類を客観的に把握することができます。ただし、分析結果は単独で評価するのではなく、ヒアリングや五感調査、測定機器調査と組み合わせて総合的に判断することが重要です。

理解度チェック

  • 微生物学的調査が汚染を定量・定性評価する手法である
  • 調査目的に応じてサンプリング方法を選択する必要がある
  • 分析方法ごとに特徴と限界があること
  • 分析結果は単独で判断せず比較・総合評価が必要である
  • 微生物調査が診断や説明の裏付けになること


次節では、これまでの調査結果をもとに行う「調査結果の評価と報告書作成」について解説します。

052-835-3441
調査・ご相談