カビ除去の調査・ご相談

mechanism カビ発生のメカニズム

What is mold? そもそもカビって?

カビはきのこや酵母と同じ真菌類と呼ばれる原生生物です。カビは壁や床、食べ物などあらゆる所に張り付き、栄養素を吸収して成長します。ひとつひとつは目視できませんが、集まり密集したものが、「カビ」として私たちが目視できるようになります。
ではカビはどうやって発生するのでしょうか?

カビの発生条件

カビが発生するには「温度」「湿度」「栄養素」が必要です。室内には常に空気中を数個から数千個カビの胞子が浮遊していますが、付着しても条件が揃わなければカビは根を張って成長することはありません。しかし、これが素材表面に付着し、温度と湿度と栄養素を吸収するとカビが成長し、繁殖してしまいます。

温度 15~30℃(20〜28℃が最もカビが活発になる)
湿度 60〜80%以上(80%以上になると一気に繁殖する)
栄養素 有機物(たんぱく質や炭水化物、人の髪や皮脂、ほこり、食べこぼし等)
カビイメージ
カビイメージ

カビが発生しやすい場所

主に、水や埃が溜まりやすいところにカビは発生します。普段手が届かない場所や、あまり使用しない保管庫や倉庫、掃除ができない棚の奥などは特に埃が溜まるので、温度と湿度の条件が揃ってしまうとカビが発生し、繁殖してしまいます。特に春から夏にかけて湿度が高くなる梅雨の時期はカビが増殖しやすくなるので、湿度・温度の調整や日常的に隅まで掃除を行っておくとカビが防げます。

保管庫・倉庫

保管庫・倉庫

水蒸気が発生する天井

水蒸気が発生する天井

水回り

水回り

空調設備の周辺

空調設備の周辺

天井

天井

放置したモノ

放置したモノ

床下

床下

クローゼット

クローゼット

Cases of mold growth カビの発生要因のケース

カビだけを除去しても、また条件が揃ってしまえばカビは再発してしまいます。カビを完全除去するには、発生要因から解決しなくてはいけません。ここではカビが発生するには、どのような発生要因が考えられるのかをひとつずつ紹介します。

施工不良によるカビ

工務店や建築会社が住宅を建てた際に「換気対策が不十分」「床下が漏水している」などの施工不良が要因となってカビが発生することがあります。特に床下でカビが発生すると確認も難しいため、「気づいた時には繁殖していた」なんてことも考えられます。

施工不良として考えられること

換気不十分
雨漏り
漏水事故
調査イメージ
調査イメージ

住宅のトレンド「高気密高断熱の家」について

「高気密高断熱の家」

近年の新築住宅の殆どが「高気密高断熱の家」を売りにしています。この流れは政府が省エネ政策の一環としてZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の推進や「2020年省エネ基準適合義務化」を進める中、ハウスメーカーや工務店が基準に適合した住宅を作ろうとしてきた背景があります。

この動向の裏で問題になっているのが住宅のカビ問題です。日本の高温多湿な環境の中、技術・経験が未熟な建築会社などが建てた家で、床下、壁内、室内にカビが発生してしまっているケースが報告されてます。

結露によるカビ

結露は室内と外との温度差と、室内の湿度の高さが関係して結露が発生します。空気には一定の水蒸気を含むことができますが、この水蒸気を含んだ空気が冷やされると水滴となって現れるのが「結露」です。結露を放置すると、結露が落ちて溜まる窓枠に埃などの栄養素と温度さえ揃うと、カビが発生してしまいます。

結露対策

換気 室内の湿度を下げるためにも、換気は大切です。水蒸気を含んだ空気を外に排出することで結露を防ぎます。
断熱強化 断熱シートなどを使って窓ガラスの断熱効果を強化することで室内温度を保ち、結露を防止できます。
結露イメージ
結露イメージ

雨漏り、漏水、浸水によるカビ

家の中でもキッチンや風呂場などの水回りでカビが発生しやすいように、「雨漏り」「漏水」「浸水」など水が関係するとカビが発生しやすくなります。湿度の条件をすでに揃えているので、あとは温度と栄養素さえあれば繁殖してしまいます。経年劣化や自然災害などで雨漏りなどの症状が発生したら、カビが繁殖する前に補修を行うことが大切です。

自然災害の際の対応

雨漏り 雨漏りを発見した場合は穴が小さいからと放置せず、早急に補修を行いましょう。
漏水 トイレやキッチン水回りが漏水していないか確認し、気づいたら修理を行いましょう。
浸水 浸水災害が起こった際はとにかく乾燥させることが重要です。床下にサーキュレータなどを置いて乾燥させましょう。
雨漏り、漏水、浸水イメージ
雨漏り、漏水、浸水イメージ

Mold-prone house カビが引き起こす健康被害、建物被害

カビが発生するとどのような健康被害、建物被害があるのかをご紹介します。カビの危険性を知って、被害が大きくなる前に対処を行いましょう。

カビによる健康被害

カビによる健康被害

アレルギー性鼻炎

空気中のカビが鼻腔(鼻の内部)の粘膜に付着し、それを取り除くために鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状が発生します。一般的に花粉が鼻腔に付着して起こる症状を花粉症と言いますが、カビも同様です。

夏型過敏性肺炎

夏型過敏性肺炎はエアコンによって家の中を漂うトリコスポロンという種類のカビを日常的に吸い込むことによって発症し、特に夏時期に多く見られる症状です。症状は咳、発熱、倦怠感などがありますが、病院での診察を受けても風邪と誤診されることが難点です。

気管支肺アスペルギルス症

アスペルギルスというカビが人の病気の原因になることは稀ですが、免疫力が低下している人や、肺に疾患のある方はアスベルギルスを吸い込むことで肺の感染症を引き起こすことがあります。咳や痰、息切れ、微熱といった症状が出ます。

水虫

足の指に白癬菌(はくせんきん)というカビが付着して水虫が発生します。靴を履いて蒸れやすくなるため特に足の指や足の爪などに発症しやすく、爪に発症した「爪水虫」は、難治性といわれています。強烈な痒みが特徴的です。

シックビル症候群、シックハウス症候群

建材や家具に発生したカビが原因で起こる、めまいや吐き気、湿疹、咳などの症状を総称してシックハウス症候群と言います。シックビル症候群はビル内で起こる健康被害のことを指します。

カビによる建物被害

カビによる建物被害

ビニールクロス、タイルが腐食

クラドスポリウムというカビは、俗にいうクロカビのことで、空気の流れが滞留しやすい場所や食べ物などに発生します。ビニールクロスやタイルの目地や壁面など湿度の高いところで増殖しやすく、素材の腐食を進めます。

木材、木製の家具などの老化・腐敗

トリコデルマというカビは家の中でも湿度の多いところで発生して増殖し、木材や木製の家具などの劣化や腐敗を引き起こします。木材だけでなくプラスチックや家電製品に繁殖することも。

塩ビ製品やポリウレタン製品の劣化

フザリウムというカビは、塗装面、ビニールレザーなどの表面によく繁殖します。塩ビ製品やポリウレタン製品を劣化させる上、コンタクトレンズも汚染するなど、人体にも影響の出るカビです。

壁、木材、畳、衣類などの腐朽

ケトミウム(ケタマカビ)は壁、木材、畳、衣類、書籍など繊維素(セルロース)を分解して腐朽させます。時にはボロボロになるまで分解してしまう例も見受けられます。

summary まとめ

カビは温度、湿度、栄養となるものさえ揃えばどこにでも何にでも根を張り、増殖してしまいます。そのため、湿度をためやすい場所はカビが育つ絶好の温床です。また、カビを日常的に吸い込むことで様々な健康被害も発生し、腐敗などの建物被害にも発展してしまいます。カビだけを取り除いてもまた再発してしまいますので、しっかりカビの発生要因から除去しましょう。

次はどのようなカビ調査・検査を行うのかご紹介します。

カビの調査・検査
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